技術紹介

複合体FRP

複合体FRPとは

FRP

私たちの会社ではFRP(繊維強化プラスチック)という複合材を使って美術造形物や遊具の製作、またFRPメンテナンス等を行っています

みなさんが日常利用している浴槽やサーフボードなど色々なものに利用されています。

「FRP」というのは、Fiberglass Reinforced Plasticの略で、ガラス繊維によって強化されたプラスチック(強化プラスチック)を表します。
そして、その材料は、ガラス繊維を編んだものにポリエステル樹脂を浸透、積層して硬化させたもので、鉄筋コンクリートと同じように、性質の異なった材料を組み合わせて作られた複合材料です。



複合材を選ぶ理由

FRP

異なった材料を組み合わせてそれぞれの長所を生かすことができるからです。

ガラス繊維やカーボン繊維の引張り強さは、同じ重さの鉄やアルミより、はるかに強い材料ですが、繊維だけではしっかりとした形を作るのが苦手です。

一方、合成樹脂は自由な形を作ることは得意ですが、強さは金属にかないません。
そこで、「樹脂で形を作り繊維で補強する」という方法が考えられました。
強くて軽い、また造形しやすいという理由で私たちは複合材を使っていろいろな製品を作っています。


複合材の種類

私たちが使っている複合材は主にFRP(繊維強化プラスチック)です。
母材としてのプラスチックは 不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシなどの樹脂を使います。

補強材にはガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維などを使います。

また、曲げ剛性を高くし、軽量化するためにサンドイッチ構造を採用することもあります。芯材としてはフォーム材、バルサ材、アルミやアラミドのハニカム材などがあります。

ガラス繊維やカーボン繊維で作られたFRP板

ガラス繊維やカーボン繊維で作られたFRP

サンドイッチ構造の芯材

サンドイッチ構造の芯材

FRP造形の作り方

FRP造形の作り方
FRP造形の作り方
FRP造形の作り方
FRP造形の作り方


古くて新しい複合材

合材のルーツは古代エジプトの日干しレンガだと言われています。

日本では、天平時代に乾漆という技法で仏像を造っていました。原型の上に麻布を張り、漆で固めて、細部は漆に挽き粉などを混ぜたパテ状のもので仕上げたそうです。

古都・奈良興福寺の脱活乾漆造「阿修羅像」「迦楼羅像」などは大変軽量のため火災や戦乱の巻き添えになることもなく持って逃げ無事避難させることが出来ました。軽量だったから国宝として現在残っております。1300年の時を隔て同じように複合材で作られており、作り方は現代のFRP製品とそっくりです。

興福寺 阿修羅像(興福寺HPより)

興福寺 阿修羅像(興福寺HPより)

仏頭 レプリカ(FRP製)

黄金の鳳凰(FRP製)

仏頭レプリカ(FRP製)

仏頭レプリカ(FRP製)


これからの複合材

これからの複合材

FRP(繊維強化プラスチック)は強くて軽い、劣化しにくいといった長所を生かして、テーマパークFRP造形、船舶、航空機、交通機器、建築・土木、スポーツ機器など多方面に利用されています。しかし、腐らない、リサイクルしにくいという環境面からは困った材料です。

最近はFRTP(繊維強化熱可塑性プラスチック)などリサイクルしやすい複合材を利用するマテリアルリサイクルの研究が進んでいます。

また、FRPは自然環境の影響下では劣化しにくいため、半永久的な材料と思われがちです。

しかし、構造材としては金属など他の工業材料と同様に、繰り返し応力による疲労、劣化は避けられません。
こうしたFRPの長期寿命の推定や耐久性の評価の研究も進んでいます。

また一方では、FRPは可燃物で燃えやすい材料です。FRPの難燃化、不燃化は安全基準の第一歩だと思われます。

私たちも[安全で安心できるFRP製品]を目標に、いろいろな可能性にチャレンジしていきたいと思います。

モルタル特殊造形

FRP

左官職人がコテを使って塗り付けるのがモルタルです。モルタルは粗骨材が含まれていないので、柔らかく加工がしやすい点が長所と言えるでしょう。

モルタルの特徴とは
・柔軟性があるため、建物の外壁やレンガ、ブロックの接着剤として使用される。
・装飾性が高いので仕上げ材にも適している。
・強度が不十分なので、建物の構造体には使用されない。



モルタルとコンクリートの比較について

FRP

まず、素材としての強度はコンクリートに軍配が上がります。
粗骨材が文字通り「骨」の役割を果たし、セメントと結合することで強い強度を発揮するのです。
一方で、コンクリートには柔軟性があまりありません。
その点、モルタルは強度こそコンクリートに劣りますが、柔軟性は高くこうした特徴から、強度が最優先の構造体にはコンクリート、柔軟性や施工のしやすさが求められる外壁や内装にはモルタルが用いられるのです。



エイジング塗装

当社が得意としているエイジング塗装技法があります。近年とくに人気が高まっているのがエイジング塗装です。中世ヨーロッパ時代には、すでに建築物などにエイジング塗装が用いられていたと言われています。

現在も古い街並みが多く残るヨーロッパの国々では、景観を損なわないための塗装技術としてエイジング塗装技術が頻繁に活用されていて、時代と共に技術が発展してきたと言われています。

エイジング塗装とは、新しい物を古ぼかしたり、錆びていない物を錆びている様に見せたりするなど、あたかも、時が経過することによって物などが変化したかのように見せる

塗装技術のことですヨーロッパで新しい建築物ができたとき、周りの古い町並みの景観を壊さないように、周りになじませるための塗装技術として生まれ、発展したとも言われています。

日本国内でもエイジング塗装がおこなわれていて、大型テーマパークや商業施設、店舗の内外装、アンティーク風やヴィンテージ風のインテリアの仕上げ、アート作品など、あらゆる場面で活用されています。

エイジング塗装
エイジング塗装

アートトリック

造形芸術において絵や図形のなかに、異なる見え方が隠されているトリックアート「だまし絵」と呼ばれものもあります。人によって見え方が違ったり、見続けているうちにふと見え方が切り替わったりする不思議さを楽しむものです。

だまし絵は「片方の見え方が意識に上がっているときは、もう一方の見え方が消える。  2つの見え方を同時に見ることはできません。脳がスイッチを切り替えることで、同じ絵なのに、違うものに見えるのです」錯視効果を巧妙に利用した静物画を指します。