技能検定は、「働く人々の有する技能を一定の基準により検定し、国として証明する国家検定制度」です。
技能検定は、技能に対する社会一般の評価を高め、働く人々の技能と地位の向上を図ることを目的として、職業能力開発促進法に基づき実施されています。 技能検定は昭和34年に実施されて以来、年々内容の充実を図り、平成24年4月現在115職種について実施されています。技能検定の合格者は平成23年度までに359万人を超え、確かな技能の証として各職場において高く評価されています。
『一級強化プラスチック成形技能士』の技能検定は、技能者の持っている技能を国が認める国家試験であり合格した人は「技能士」と称することが認められ、厚生労働大臣から(2級は県知事)から合格証書および技能士章が交付され、「技能士」と名乗ることができます。
受検に際しては、原則として検定職種に関する実務経験が必要です。必要とされる実務経験の年数は以下のとおりですが、職業訓練歴、学歴等により短縮される場合があります。「強化プラスチック成型」受験資格は1級がFRP成形実技経験年数7年以上、2級は実技経験年数2年以上です。
検定職種は多岐にわたり、「プラスチック成型」だけでも射出成型・インフレーション成形・ブロー成型などがあり、「強化プラスチック成型」には手積み積層成形・エポキシ樹脂積層防食・ビニルエステル樹脂積層防食などがあります。
学科試験は、全国統一して職種(作業)等級ごとに同一の日に年一回行います。試験内容は非常に広範囲でFRP全体の内容となります。出題範囲は参考書「FRP成形技能テキスト」の目次にある内容から偏りなく出題されています。参考までに模擬試験の出題傾向は次のようになっています。
実技試験は、学科合格者で全国統一で年一回行います。1級と2級は異なる成形型を支給され700mm*700mm*500mm程度の「流し台」状の製品を5時間以内で製作します。主な実技内容は、養生、型のワックス掛け、離型剤塗布、ゲルコート塗布、ガラスマット裁断、FPR積層、硬化脱型、グラインダーカット、指定穴空け、製品と型洗浄、清掃、記録表提出等を時間内に行います。合格基準は規定内重量、FRP規定板厚(ホルソーにて開口板厚検査)、表面ゲルコートが製品として完成品であること、そして時間内終了しガラスマット重量、樹脂量、カット端材重量など使用材料全てを当日配布の記録票に記入など多岐にわたります。
1級 受験者数 2243名 合格者数 815名 合格率 36.3%
2級 受験者数 3566名 合格者数 1685名 合格率 47.3%